激走旅日記アレジィ

インドなんか行きたくない 編

No.3

大いなるガンガー

2006.2月14日(火)

バラナシ

インドの階級社会

朝起きると列車は順調に進んでいた。エアコンも効きすぎることなく、3段ベッドの中段であっても快適に寝ることができた。とりあえずこのクラスだと、インド列車は全然大丈夫そうだな。このクラス、つまりお金持ち専用AC車両である。この車両を使っているのは外国人旅行者とごく一部の上流階級インド人だけで、一般インド人は見当たらない。というのも、明らかにこの上流階級インド人は服装やアクセサリーが普通のインド人とは違う。キレイできちっとした服装をしているし、高級そうな腕時計やアクセサリーを身につけているし、子供も”ガキ”ではなく”おぼっちゃま、お嬢さま”というような感じだ。近く の席にいた上流階級家族の小学生くらいのお嬢様は、乗車中騒ぐことも無く大人しく本をお読みになり、さらになんと油取り紙までお使いになられていた。腕時計もしっかりしていた。このような人たちは、街中ではなかなかお目にかかれない。インドの階級社会の中ではほんの一握りなのだ。この階級社会の由来がカースト制度であることは言うまでも無いが、法律上は廃止されていても実際はインドにしっかりと残っていることを確認できる。この階級の差、つまり貧富の差はものすごい。ほとんどの一般市民が10円単位で生活してるのに、上流階級の人たちは普通に1000円単位で生活してるような感じである。このAC車両だって2000円くらいするので、我々日本人にとっても決して安いわけではない。一番安いクラスだと、同じカルカッタ−バラナシが250円くらいだろうから、その貧富の差が明らかにわかる。そして、この列車は全部で15両くらいは連結されていたと思うが、自分達や上流階級インド人が乗ったAC車両は1両しかなく、他14両はその他一般市民向けのクラスなのだ。でもインドの人たちはこれが当たり前だと思っていて、特にどうにかしようなどとは考えないらしい。やはり宗教というのは難しく、そして理解しがたい。

そんなわけで、意外にも列車は定刻どおりバラナシに到着。さっそく今後の目的地へ向かうための列車の切符を買いに外国人専用オフィスへ向かう。昨夜バラナシ行き夜行列車の中で時刻表とにらめっこしながら今後のスケジュールを考えた。最初はカジュラホに行こうと思っていたのだが、列車とバスを乗り継いで行く必要があるため、めんどくさいのと時間がもったいないので却下。その代わりにラジャスターン地方のジョードプルまで足を伸ばそうと列車のシュミレーションをした。今後の予定はこうである。

バラナシ→アグラー→ジョードプル→ジャイプル→ムンバイ→
アウランガーバード(エローラ)→ムンバイ

来週土曜までの日程でなんとか上記のスケジュールで行けそうだった。キツキツだが、完ぺきなスケジューリングだ。それにしてもインドの列車時刻表はインド旅行には必須である。これが無いと予定を立てるのがかなり困難になる。最近はネットでも時刻表を見れるようになった。インドもずいぶん発展してきたなぁ。 で、さっそくチケットを買いに行くと、この完ぺきなスケジューリングがいきなり崩れ去った。

”アグラー行きは3日後まで全クラス満席だ”

え?そ、そんなぁ〜。せっかく苦労して計画立てたのにいきなり躓きですか?やはり人気路線はすぐ満席になってしまうのだろうか?急遽緊急会議を開き、臨機応変に便数の多いデリー行きを利用して、バラナシ→デリー→アグラーとデリー経由に予定を変更。ちょっとめんどくさくなるが、一応同日中にアグラーに到着できるので、まださっきの計画は保たれることになる。このスケジュールで再度チャレンジ。そして見事ゲット。また満席になると困るので、とりあえずアグラー→ジョードプルの列車もここで予約した。ちなみにバラナシ→デリーは今回乗った3Aよりさらにリッチな2Aクラス(ベッドが2段のエアコン寝台車)、お値段何とRs.1270!!(3500円)、そしてアグラー→ジョードプルはACクラスが満席だったので庶民の寝台SLクラス(ベッドが3段の寝台車)、お値段Rs.260(700円)。ちなみに上記2路線の距離に大差は無い。それだけ階級社会の差、つまり貧富の差が激しいのだ。

そんなわけで、めんどくさいチケット取りを済まし、カルカッタの駅であった日本人(めずらしく同じ社会人)と再会していっしょにガンジス川(ガンガー)付近の宿に向かった。

快適で沈没しそう

駅からリキシャーで宿近辺まで行き、そこからなぜかリキシャーの運ちゃんがわざわざお目当ての宿まで細い路地を通って案内してくれた。なんかまたガイド料よこせだとか、もしくは全然違うホテルに連れて行かれるのではないかと心配したが、結局何も要求することなく案内を終えるとそのまま去っていった。…ちょっとインドに対して身構えすぎかなぁ?いや、いつか絶対ヤラレルと思うので、常に身構えておこう。

お目当ての宿はPuja Guest House。歩き方でもネットでも評判が良かったが、実際に居心地の良い宿であった。そして屋上からのガンガーの眺めは最高。本当に偉大なガンガーという感じだ。しかも外の喧騒が嘘みたいに落ち着いた雰囲気。空気も汚くない。かなり快適な環境だ。このままずっといてもいい気分にさせられる。こんな居心地がいいと、ここバラナシで沈没(何もしないでいついてしまうこと)してしまう人が多いのもうなずける。しばらく雄大なガンガーを堪能した後、河岸にあるガートへ向かう。ガートは祈りをささげながら沐浴したり、死者の灰(または 死体そのまま)を父なるガンガーへ流す場所である。ガンガーで沐浴、これはとても勇気のいる行動である。なんせガンガーは死体をそのまま流す場所であり、生活廃水を垂れ流す河でもある。しかし聖なる河なので、現地人はためらわず沐浴する。ただ、これを真似して外国人が沐浴したりすると…、ひどい下痢さらにはコレラ赤痢になることができてしまう。さらに泳いだりなんかした際には、そのまま流されてガンガーの一部になれてしまう。ということで、手だけ軽くガンガーに触れるにとどまった。…よし、これで沐浴したも同然だ。手だけだから、後で洗えば病気も大丈夫だろう。と思っていたのが甘かった。この10時間後にガンガーの恐ろしさを身をもって体験することになろうとは…。

沐浴後、有名な火葬場、マニカルニカー・ガートに行ってみる。このガンガーで死を迎えて灰をガンガーに流されることが、ヒンドゥーにとっては最大の幸せなのだ。よって、24時間365日この火葬場はフル活動しているという。近づいてみると、例のごとく自称ガイドが近寄ってきて、僕らを日本のJICAが建てたホスピス(死を迎える人のための施設)の屋上に連れて行き説明しだした。まあこれは定番で、話は為になるので聞いて損はなく、最後に薪代としてRs.10程度払えば良いと聞いていたので素直にこの自称ガイドについていった。確かにいろいろと丁寧にこの火葬場の話をしてくれて、そして予定通り薪代という名のチップを要求してきた。じゃあRs.20くらいでいっかな、と渡そうとしたら、この自称ガイドはふざけたことを言い出してきた。

”薪は1kgでRs.150する。Rs.20じゃ全然足りない。さっきの日本人旅行者は5kg寄付してくれた。お前は何kg寄付してくれるのか?”

はぁ?出たよ。またバトルするのかぁ、めんどくさいなぁ。ていうか、高すぎる。本当に1kgでRs.150もするのか?そんなに高価なら、そこらじゅうに無造作に大量に積まれているってのもおかしいだろ。それに普通の日本人旅行者が5kg=Rs.750も寄付するなんてありえない。とにかくそんなに払う気は無い。と言い争ってると、

”じゃあこのホスピスの屋上使用料として1人Rs.200払え”

ときた。プチーン、久々にぶち切れた。

”じゃけんじゃねーっ、このボケがぁっ!!”

と日本語で言い放って、そのインド人たちを振り切ってさっさと立ち去った。これだからやなんだよ、こーいう国は。素直にRs.20受け取れば問題ないのに。しかも日本のJICAが好意で建てた建物が、このように悪徳インド人のボッタクリ行為の場として使われるなんてとても悲しい。そんな悲しい気分になりながら宿に戻りました。やっぱりインドでは常に身構える必要があるな。


ガンガー

ガンガー2

ラリータガート

ガートと沐浴

牛ですが何か?

バラナシの小路

ビールが飲みたい

観光もひとまず終えて、いつもどおりビールが飲みたくなったので酒屋を探しに行く。バラナシの街は小さい路地が入り組んでいて自分がどこにいるのか良くわからない。モロッコのフェズみたいな感じだ。 その路地を抜けて大通りに出ると、そこはインドらしい喧騒と埃まみれでさらに大混雑と言うカオスっぷり。自分はこの通りを歩くだけでも嫌になってしまった。埃がすごいので喉がすぐに痛くなり、鼻水も大量に出る。そこへ流暢に日本語を話す怪しげなインド人が現れて、頼んでもいないのにガイドをしだす。一応日本語の勉強のためだから何も要求しない、”持ちつ持たれつ”だ 、と言っていたので特に拒否しなかったが、ひたすら付きまとってくるのでいい加減にウザくなってきて、AKASIが”もうついてくんな”と追い払った。そして酒屋は見つからなかった。何の収穫もなし。ただ喉が痛くなっただけ。

失意のまま宿で夕食をさっきの社会人旅行者と食べていると、他のテーブルで欧米人がビールらしきものを飲んでいるところを発見した。あれっ、メニューにビールは無かったよなぁ…。と思ったが、何気なくスタッフに”ビールある?”と尋ねると

”あるよ。何本いる?”

と、普通に反応してきた。…おいおい、ビールあるんだったら最初から言ってくれよー。ようやくビールが飲める、という期待感と楽しみがあったが、ビールが出てくるまでかなり時間がかかり、食事をほとんど終えてしまった。食事の量がかなり多かったのでみんなお腹一杯。食事を済ませて満腹状態でのビール。…びみょー。あまりおいしく感じない。やはりビールは食事前の最初の1杯が一番ウマイ。しかし頼んでしまったので、みんな満腹状態ながらも無理矢理ひぃひぃ言いながらビールを流し込んだ。 この後、他のテーブルの客たちもビールが飲めると言うことに気づいて、みんなビールを注文しまくっていた。しかしこの無理矢理ビールを飲むと言う行為はこの後起きる事件の原因の一つであったと、今では考えている。


大通りは大混雑

ガンガーの夕暮れ

夕暮れ後のガンガー

めも

Rs.1(インド・ルピー)≒2.8円 US$1≒120円

宿 Puja Guest House Rs.300(ツイン:1人Rs.150 )

激走旅日記アレジィ

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